2024.6.14

News

ここから始まるアートの胎動【大阪市西成区山王エリア】

取り残された山王地区

山王は大阪メトロ「動物園前駅」から徒歩3分ほどにある、昭和長屋がいまだに立ち並ぶ閑静な地区である。大阪の一等地の基準とされる大阪メトロ御堂筋線とJR 環状線、この両方が交わるこの地にありながら様々な要因が積み重なり再開発を免れることになった。かつては、てんのじ村と呼ばれ、上方芸能発祥の地として知る人ぞ知る。大正から昭和初期にかけては芸人たちが400人も住んでおり芸人長屋と呼ばれて賑わっていた。時代の変遷により芸人はいなくなり、現在では空き家も多く立ち並び崩れかけた屋根や壁をみることも珍しくなく文字通り崩壊しかかっている。

崩壊は新しい何かを生む

西成区は近年インバウンド観光などの活況を得るが、山王もその影響を少なからず受けている。中華系の資本が入り込み土地と建物は購入されていく。広い区画になればスクラップされてマンションが建つか、小さい物件はいかにもな民泊がそこかしこに並ぶ。経済合理性も重要であるが、長い目で見たときに人々にとって良いかたちはどんなだろうか。このまま放っておけば、どこにでもあるマンションとどこにでもある民泊だけのまちになるだろう。

アートシーンの胎動

そんな中、アートを通じて人々に人と環境の在り方を問いかける人々が現れた。その1人が、Yukawa-Nakayasu氏で、2024年1月19日から2月17日に、SUCHSIZEにて展示会「薫りのささやきと」を開催した。そこでは、作為性を排除した結晶化を使ったアートパネルなどが発表された。作品を見て自分と環境の在り方を考え、友人たちと語り合い、Yukawa-Nakayasu氏に問いかけることで、私たちがどんな町や環境で生きたいのかを共に考える機会となった。氏は、1981 年大阪生まれ。山王の空き家をアトリエに改装し、言語化できない現象や問題を視覚化する芸術活動を国内外で行っている。自然と人の関わり、まちと人のかたち、それはその土地や環境とそこにいる人によっても異なる。氏はその土地や人の歴史や習俗を再解釈し、作品はあらたな視点を与えてくれる。

アート展示会「薫りのささやきと」
会期:2024 年 1 月 19 日(金)〜2 月 17 日(土)のうちの金・土曜(計 10 日間)
会場:イチノジュウニのヨン、SUCHSIZE
時間:15:00〜19:00


Reservation ご予約

ご予約ページ

ご予約はこちらのページよりお受けしております。

ご宿泊に関する問い合わせ

090-3966-9586

営業時間 10:00~22:00

Contact お問い合わせ

お問い合わせフォーム

オプションや時間貸し、その他について

090-3966-9586

株式会社オノクル 担当:山田