株式会社オノクル|民泊・旅館業コラム
【大阪市・10月末改正】木造長屋・共同住宅の民泊を旅館業へ|現行基準で最後の機会
同じ建物に居住者がいる木造長屋・共同住宅で、特区民泊を運営している方へ。
情報確認日:2026年9月30日
今の特区民泊を旅館業に切り替えたい。そう考えている方にとって、10月末の条例改正は、申請を進める時期を判断する重要な節目です。
対象となるのは、たとえば木造長屋の一戸を民泊に使い、つながっている別の住戸に人が住んでいる場合。木造アパートの一室を民泊に使い、同じ建物の別室に居住者がいる場合も、構造基準との関係が重要になります。
この記事では、条例改正と申請時期の関係、管理事務室を使う方法、特区民泊との違い、許可取得までの流れを順に解説します。まず制度と進め方を理解し、現在の施設を旅館業に切り替えるかどうかの判断にお役立てください。
01居住者がいる木造長屋・共同住宅は、10月末の改正前がポイント
大阪市が示す改正案では、許可申請時や、延べ面積の増加を伴う改修時に、同じ建物内に現に居住の用に供している部分がある場合、原則として鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造であることが求められます。同等以上の防音性能があると市長が認める場合には、例外があります。[1][2]
そのため、居住者がいる木造長屋・共同住宅の一部で旅館業を始める場合、改正前後で申請の条件が変わる可能性があります。
一方、施行前に所定の計画届や許可申請を行った施設などには、新しい構造基準を適用しない経過措置が示されています。切り替えを考えるうえで重要なのは、施行前にどの手続きまで進んでいるかです。[2]
「最後の機会」は、現行の構造基準で進める経過措置に関するものです。
施行後も例外に該当する場合などがあります。経過措置は、営業に関するすべての基準が免除されるという意味ではありません。また、施行後に面積を増やす改修を行う場合は、経過措置の対象施設にも新しい構造基準が適用されます。
大阪市の説明資料では、対象となる建物について、次のように記載しています。
入居者がいる長屋や共同住宅において、一定の防音性能を有する構造を許可要件とする
出典:大阪市「大阪市旅館業法の施行等に関する条例の一部を改正する条例案について」説明資料から原文抜粋。
2026年9月30日現在、大阪市は、条例案が原案どおり可決された場合の施行日を2026年10月30日と案内しています。経過措置の所定の届出・申請は「施行日前」が対象です。[1][2]
02フロントの代わりに、管理事務室を使う選択肢があります
「旅館業に切り替えるには、建物の中にフロントをつくらなければならない」と考えている方もいるかもしれません。
大阪市の旅館業には、施設内にフロントを設ける方法に加え、近くに管理事務室を設け、必要な設備を整える方法があります。
施設内にフロントを置くスペースが取りにくい長屋や、一棟貸しの宿でも、管理事務室を使う方法を検討できます。[3]
大阪市では、フロントを設けない施設について、大阪市内で宿泊施設から1,000メートルの区域内にある管理事務室のほか、出入りを確認するカメラ、施錠設備、宿泊者との連絡設備、所在地などの表示に関する基準を定めています。[3][4]
「施設内にフロントを設ける」か「管理事務室を使う」か。 この選択肢を知っておくことで、今の建物を生かした旅館業の計画を考えやすくなります。管理事務室にも設備・運営の基準があり、施設に合った体制を整える必要があります。
03特区民泊と旅館業の違いを、運営に関わる項目で比較
運営上の大きな違いは、旅館業では1泊の予約を受け入れられることです。年間営業日数の上限は、どちらの制度にもありません。[5]
| 比較項目 | 特区民泊 | 旅館業 |
|---|---|---|
| 年間営業日数 | 上限なし | 上限なし |
| 最低宿泊日数 | 2泊3日〜 | 1泊〜 |
| フロント | 設置義務なし | 管理事務室などで代替する方法あり |
| 管理・対応体制 | 苦情窓口・駆けつけ体制 | フロント、または基準を満たす管理事務室・設備等 |
この記事の「旅館業」は、旅館・ホテル営業と簡易宿所営業を指します。管理・対応には、各制度の設備・運営基準が適用されます。[3][5][6]
04切り替えのメリットは、1泊の予約を受けられること
大阪市では民泊施設が増え、施設間の競争を踏まえた売り方が求められます。インバウンドの連泊需要に加えて、国内の短期旅行も取り込むことは、販売先を広げる一つの方法です。[7]
国内のお客様には、週末の家族旅行、ライブやスポーツ観戦、帰省など、1泊での利用が考えられます。
特区民泊でも日本人の宿泊は可能ですが、最低宿泊日数は2泊3日です。旅館業へ切り替えれば、「1泊だけ泊まりたい」というお客様にも販売できます。[5][8]
連泊予約の間にある「1泊の空室」も、販売できる日に。
すでに1泊の問い合わせがある施設や、予約の間に1泊だけ空室が生まれやすい施設では、旅館業への切り替えを検討する理由になります。
1泊の予約に対応すると、清掃やリネン交換の回数も変わります。今の連泊客を受け入れながら、1泊の予約を扱う売り方が自分の施設に合うかどうか、現在の予約状況と運営体制から考えることが大切です。
05旅館業の許可取得までの流れ
特区民泊からの切り替えでも、旅館業の許可を新たに取得する手続きが必要です。大阪市では、既存建物を使う場合も、建築計画などの事前届出から進めます。[4]
1.建築計画届
保健所との事前相談を踏まえ、建物や客室、管理方法などの計画を届け出ます。申請を依頼する場合は、行政書士が手続きを担当し、建築・消防の専門家と必要な内容を整理します。
2.必要な工事・設備の整備
旅館業の基準に合わせ、必要な改修や消防設備、管理事務室などの整備を進めます。工事の有無や規模は、現在の建物・設備の状態によって異なります。
3.許可申請・検査・許可取得
許可申請後、保健所の検査などを経て許可取得へ進みます。特区民泊の廃止手続きや、旅館業として営業を始める時期も、切り替え計画に合わせて調整します。
旅館業の申請は、行政書士だけで完結するとは限りません。建築士、施工会社、消防設備業者などが、それぞれの専門分野を担当し、計画と手続きを進めます。
06大阪市の旅館業申請を、オノクルがサポート
株式会社オノクルは、大阪市内で宿泊施設を運営しています。建物を宿として使うための企画に加え、清掃、ゲスト対応、設備管理など、開業後の現場にも継続して関わっています。
申請支援では、協力する行政書士や建築・消防の専門家と連携し、建物の状況や必要な手続きを整理します。関係者が早い段階から情報を共有し、図面や設備の検討を並行して進めることで、手戻りを減らし、申請準備を進めやすい体制を整えています。
オノクルの宿泊施設事例
施設の建物・宿泊スタイルと特徴は、各施設の公式サイト・掲載ページに基づきます。
代表の山田有生は、株式会社オノクル代表取締役、NPO法人山王エックス理事長として、宿泊施設の経営と長屋再生、地域のまちづくりに取り組んでいます。
07旅館業申請サポートの料金
初回相談はオノクルが受け付け、許可申請書類の作成・提出代理は、連携する行政書士が担当します。
| 項目 | 料金 |
|---|---|
| 旅館業申請 |
250,000円〜 税込275,000円〜 |
| 事前調査費用 |
30,000円〜 税込33,000円〜 |
| 図面作成費用 |
50,000円〜 税込55,000円〜 |
| 客室パターン追加加算 | 1パターンにつき 20,000円〜 税込22,000円〜 |
| 客室数加算 | 追加5室単位で 20,000円〜 税込22,000円〜 |
| その他実費 | 別途 |
上段は税抜、下段は税込の金額です。
旅館業申請の基本料金は、客室1パターン・5室までを想定しています。事前調査・図面作成・追加加算は、必要な業務に応じて別途かかります。建築・消防に関する専門業務、工事費、行政への申請手数料なども別途となり、業務範囲と金額は見積もりでご案内します。
開業準備や運営についても、ご希望に応じてご相談いただけます。
08旅館業への切り替えのご相談
居住者がいる木造長屋・共同住宅での旅館業申請や、特区民泊からの切り替えについて、オノクルでは無料相談を受け付けています。
現在の営業状況や建物の状態を伺い、行政書士などの専門家と連携して、申請を進める方法をご案内します。
